太極拳と共に 第1回 「先輩からの誘い」 第2回 「1,2年次を振り返って」 第3回 「ちょっとしたサークル裏話」

第3回 「ちょっとしたサークル裏話」


さて前回は、太極拳サークルにおいて過ごしてきた日々のうち、1,2年次について、サークル事情や活動スタイルなどを紹介しながら振り返って生きました。
今回は、少し離れて、学園祭のときに経験したちょっとしたエピソードや歓迎・追い出しコンパの様子について語っていきたいと思います。


学園祭でのエピソード

私たち、太極拳サークルでは毎年、学園祭の際に公開練習を行ったり、実際の演舞を披露するということをやっていたというのは、前回にもそこそこに触れたとおりです。
そのとき、1年次の公開練習が終わった後、「来年晴れたら、外のステージで気持ちよくやりたいね」という話になりました。
しかし、結局ふたを空けたら、後の3年間は毎年雨または霧雨という自体に見舞われ、結局一度も外での演舞を実現させることはできなかったのです。
あろうことか、そのことを私は、4年間一度も忘れることはありませんでした。
特に、2年次だった年の雨はすさまじく、他の学園祭の企画にすらまともに人が入らないような状況でした。
また、それに匹敵するほど4年次の際の雨もひどかったもので、学園祭前日に外にステージのテントを立てないことが決定してしまったほどです。
しかし、その4年次の学園祭での発表のときでした。これまで根気強く教えてくださったAさんを始めとする先生方より、ビッグなプレゼントをいただいてしまったのです。それは!太極拳で動くにはふさわしく、且つ美しいシルクの衣装だったのです。これには、さすがに驚いたものでした。
しかも、「貸して頂ける」などではなく、本当にプレゼントしてくださったのです。
始めは、冗談かもしれないと思ってそのまま流していましたが、本当だと聞かされ、信じられない気持ちとこれまでいろいろあった中で教えてくださった先生方への感謝の気持ちが一気に湧き上がってきました。
今、どんな場面でその衣装を着るか、かなり悩んでいたりします。
ちなみに、その衣装をいただいてからというもの、サークルに出るたびそれを着て参加していました。


中国から先生がやってきた!

あれは2年次のこと、太極拳発祥の中国から専門の先生が大学までこられたのです。
その際、サークルでも指導をしてくださいました。
実際にやってみると、今までやってきたものとは違い、かなり本格的でした。
しかし、動きがかなり難しく、私たち学生はおろか、Aさんなど教えてくださっている外部の方々ですら苦戦を強いられていました。
それでも、普段取り組まない動きを試したり、見たことのない演舞を見せていただけたことは非常に良い経験になったと思っています。


我がサークルのコンパ

私たちのサークルでは、歓迎会や送別会、はては忘年会、または新年会を市内にある某お好み焼き店で行うことが恒例行事になっており、大体の確率で宴会場を貸しきっての開催でした。
ただし、宴会場を借りられなかったり、予約がいっぱいであることを理由に、お好み焼きとは全く関係のない店に行ったことが2,3回ほどありました。
私たちがいつも行くお好み焼きの店は、焼いて出てくる仕組みになっているのですが、そのサイズが極めて大きいこと!
また、行くたびに新しいメニューが追加されていたりすることもあるため、いつも「あれ?そんなメニュー聞いたことがないぞ」と思うことも屡でした。
サイズがあまりにも大きいことから、おなか満腹になるうえ、翌朝の朝食がとれない部員が続出してしまうのもある意味特徴ですね(笑)。
予算は、当然ながら部員たちで持ち込みますが、時より父兄の方が全額負担してくださることもあり、頭の下がる思いです。
実は、このコンパにおいても忘れられない出来事がありました。
それは、4年次になった際の新入生の歓迎会でのことでした。
私は、その日就職活動のため東京へ出ていることになっており、練習は時間帯的に確実に参加できない状況でしたが、うまくいけばコンパにはほぼ確実に間に合うという予定でした。
が、何かは詳しく触れませんが、行った先でさまざまあり、仮にその時間から電車に乗って戻ろうとしても、ほぼ確実に間に合わないことから、諦めて大学の寮へ帰り、コンビニで弁当を買おうとしていました。
しかし、行った先の最寄り駅から乗り継ぎ駅に到着し、乗っていた山手線の車両から完全に離れた瞬間、持っていた携帯電話が即刻鳴り出しました。
出てみると、その声は何と!Aさんのご主人にあたる方からでした。
それによると、「何時の電車に乗るか教えてくれ」とのこと。
そうです!私は会合にわけもわからず飛び入り参加することになったのです。
確かに、わけがわからないままに目的地へ向かう電車に即刻乗りましたが、サークルに関わる方々の心というか、懐の深さに感謝するしかないと思いをかみ締めていました。
間に合わなければ、普通であれば本人も相手方も諦めるはず、それを快く受け入れてくださったのですから、そのありがたさ以外何も浮かび上がりませんでした。
こうして、スーツ姿で店に登場と言うことになりましたが、今度は入れば入るで、「ほら、おなか空いたでしょ?冷たくなってるけどさ、どんどん食べてよ」と声がかかります。
正直、お好み焼きが冷たくなっていることは、そのときは全くもってどうでもよかったのです。
上記にも触れましたが、普通なら参加できなくておかしくないものを参加させていただいているのですから、それだけでもとてもうれしかったのです。
この出来事により、私に「また可能な限り練習を頑張っていこう!そして、最高の形で最後のときを迎えよう」と思わせてくれたことは確かです。


さて、ここまでエピソードを中心に、サークルで印象に残った裏話を語ってみました。
次回は、再び練習を振り返ります。今度は、後半の3,4年次についてです。



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