太極拳と共に 第1回 「先輩からの誘い」 第2回 「1,2年次を振り返って」 第3回 「ちょっとしたサークル裏話」 第4回 「3,4年次を振り返って」

第4回 「3,4年次を振り返って」


前回、第3回ではちょっとしたサークルでの思い出裏話を語ってしまいました。
そんなわけで、今回は残りの2年間について振り返っていきたいと思います。ただ、内容は1,2年よりも濃くありません、たぶん。
3年次の前半ごろから、新たな準備体操に当たる演舞の練習をしてみたいと私自身が口走ってしまい、それが足がかりとなり、そのまま練習が始まりました。
実は、太極拳に取り組む上での準備体操は、前段と後段の2種類があり、これまでの2年間は、前段のみに取り組んでいました。
しかし、前述のように私が口走ったために、あのようなことになってしまったのです。
確かに、前段に比べレベルが高くなっており、ときより動きを忘れてしまうことも珍しくありませんでした。
ちなみに、前段はこの2年あまりで体に蓄積されたため、簡単に動きを忘れることは、このころにはだいぶ少なくなっていました。
また、扇に関しても更に複雑な動きの練習に取り組むことになったものの、なかなか簡単には覚えられませんでした。
正直なところ、現在もマスターしきれていないのが現状です。
それに加え、3年次後半ごろから現在に至るまで、練習に参加することそのものが困難になり、月に1,2回ほど参加することが精一杯な状況でした。
利き足である右足首の骨折による療養、就職活動の本格化、4年次からはコンピュータ音楽を楽しみながら学ぶ「デジタル音楽同好会」との事実上の掛け持ちなど、その要因はさまざまでした。
覚えることより、たまに練習に出て生存報告くらいしようということ、何より練習できるときに楽しんでやろうと考えるのが精一杯でした。
4年次の夏ごろなどは、1ヶ月から2ヶ月ほど参加できなくなりそうということも珍しくありませんでした。
また、学園祭が近づいてきた際にも、掛け持ちしているサークルでも企画を出すことになっていたため、時間調整そのものも難しいという状況に置かれました。
が、ときどき練習に参加したときであっても、忘れた動作の部分は気長に教えてくださいますし、何より元気に接してくださることが非常にうれしく思えたのです。
また、授業の駒数が4年次になるとかなり少なくなるため、生活も乱れやすくなりがちです。
そこで、「まずい!」と思ったときには、サークルに参加して体内時計をきちんとリセットしていくように心がけていました。
そうです。このころの私は、「とにかく覚えよう!」と考えていたのではなく、「気軽に生活リズムを整えよう!」と考えていたのです。
その結果、気が着けば、1,2年次ではなかなか感じられなかった心のゆとりを感じられるようになっていました。
そのため、練習中に苛立ちを覚えたり、苦痛を感じることも当然なくなりました。
寧ろ、自分の後輩たちが当時の自分と似たような状況に置かれながら練習をしている様子を見ては、なるだけアドバイスを送るようにもしていました。
こうして振り返っていくと、たとえ良い出来事の場合や悪い出来事の場合であっても、この大学生活の傍らには太極拳が常にあったのだとしみじみ思います。
今、生活の中にどう太極拳を取り入れるかをふとしたときに考えていますが、答えはそう簡単には出ないものですね。
でも、忘れたころにふと思い出し、体を動かしてみるのもいいのではとなんとなく思い込んでいます。



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