エピローグ


 以上のように、2012年10月から翌年2月まで続いた学生作曲家選手権2013への挑戦は、リアルであわただしくなっていく中終わりを迎えた。
年齢制限の都合上、また何よりこの3月で卒業する都合上、いずれにしても最初で最後の挑戦だったうえ、過去例にない大それた無謀な挑戦でもあった。
受賞を逃した分、その無謀さがどれほどのものだったかを身にしみて感じたが、その一方で、これまでのコンテスト挑戦以上に収穫した物事が多く、それらが私にとって、目に見えない宝物となっていることもまた事実である。
そう考えると、もしあの時、明らかに無謀だからと言うだけのマイナスな理由で挑戦をしていなければ、自分自身をステップアップさせたり、何か変わろうとするためのきっかけを得ることなど、到底できなかったに違いない。
確かに、今回の挑戦以外の物事を含めても、按摩や鍼灸といったいわゆる医療関係の、国家資格を目指す勉強をしながら作曲を全うに続けていくことの難しさも身にしみて感じていた。
実際、留年の危機にいつさらされてもおかしくないような時期すらあり、留年せずに卒業できるかどうかもそうだが、何より音楽活動に夢中になりすぎたせいで国家資格を取り損ねるのは、非常に致命的だしあってはならないことだと自分で自分に縛りをかけていた。
それも考慮しつつ曲作りに励んでいたが、よくここまで来たものだと我ながら変に感心してしまったほどだ。
が、正直な気持ちを言うと、国家試験と言う縛りがなければ、もっと作曲に費やした時間は長かっただろうし、勉強よりもおもいっきり作曲に打ち込む日々が2週間くらい連続する時期が欲しいなどと思ったこともある。
とはいえ、これからの鍛え方次第で新たな可能性が開けると前向きにもとらえている。
必ず続けていれば、今回のようなチャンスに巡り合えるかどうかもわからないからだ。
少なくとも、今回の挑戦で得た経験を必ずや今後の音楽活動や今後の人生に活かしていきたいと切に願っている。
 最後に、この曲の作成、修正に当たりご指導くださった諸熊さんやDYさんといった方々、こんな私の楽曲を愛してくださった皆様、日ごろから応援してくださっているすべての皆様方に心から感謝したい。
そして、この「学生作曲家選手権」という挑戦の大チャンスを与えてくださったJucuステージの皆さま、クレオフーガさんをはじめとする協力者の皆様、審査をしてくださった先生方にも心から感謝したい。
来年も開催が既に決定しているとのことで、次回以降、どのようなことになるか非常に楽しみなので、一社会人の立場として遠くで見守っていられればと願っている。



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