第1章 コンテストを知るきっかけ 第2章 過去の失敗といくつかの問題 html

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第3章 楽曲の選定そして新たなる問題


 こういう重要なコンテストに最も大切なのは、どの曲で持って挑みかかるかだと考える。
きっと、このことに頭を悩ませた挑戦者も多かったであろう。
しかし、私には挑戦を決めた当初からまったくに近いくらい迷いがなかった。
これまで、インスト中心で曲を書いてきたこともあり、この部門にすべての勝負をかけ、そこに投じる自信がある2曲を投稿する決心がついていたからである。
1曲は2010年に作成した「会いたい気持ち」、そしてもう1曲が当時完成間近だった新曲、「闇を渡る道化師」であった。
しかし、底には大きな落とし穴があることが発覚し、それは後に新たなる問題を生むこととなってしまった。
その結果、私自身も応募楽曲の選定(残り1曲をめぐって)に頭を悩ますこととなったのである。
 ここで問題の発端となったのは「会いたい気持ち」が応募規定に引っ掛かるか否かであった。
特に音楽出版会社と契約を結んでいる楽曲ではないが、よく見ていくと「他のコンテストにて受賞したことのない作品に限ります」という文言が記されていたのである。
そう、この楽曲、2010年末に別のコンテストで年間大賞に相当するものを受賞しているため、どこをどう頑張ってもあがいても、鳴く鳴くエントリーをあきらめざる得ない状況だったのである。
一応、ある時期まで悪あがきしていたのだが…w。
しかし、誤ってそれをエントリーしたことで応募規定を満たしているもう1曲に影響が出ては困ると判断したため、それ以上あがくことはしなかった。
そこで、もう1曲の遂行と並行する形で、あらゆる選択肢についてあれこれ模索する日々がしばらく続いていった。
考えられた選択肢は次のとおりである。


 @新たに新曲を作成する。
 A既存曲(できればもう1曲とジャンルがかぶらないように)を入念に手直しを行ったうえで投稿する。
 Bボーカルありの楽曲に1曲投じる(既存のポップス系楽曲や既に下肢を付けた楽曲があったために考えた選択肢)。
 C新曲1本に絞ってそこにすべてを集中させる。
 当初、2曲最低でも投じるつもりであったため、選択肢4は眼中にすらなかった状態であった。
そんなわけで、初めは1〜3の中で何が最善かを考えていった。
しかし、これら三つの選択肢にはそれぞれ重大な問題が潜んでいたために、最終的に4という選択肢ができたのである。
順に見ていくと、まず1番には、リアルとの間で釣り合いをとらなければならない問題が大きくのしかかっていた。
エントリー期間中に、いわば全国規模の共通模試が控えていたと同時に、末にはまたしても期末試験が控えていた。
そのため、あまり長いこと音楽に時間を割いている場合ではないと同時に、それが原因で本番の国家試験が不合格になっては笑うに笑えない事態に陥りかねない。
それに、理療科時代の私は、自称やる気も起きなくなっただめ学生という黒歴史でまかり通っているのでなおのこと上記のようなことが起きれば致命的極まりなかった。
なので、できるだけ勉強に少しでも長い時間を確保する必要に迫られていた。
いや、仮に何らかの新曲を作ったとしても、「会いたい気持ち」や「闇を渡る道化師」と同等レベルかそれ以上の水準の曲を生み出す時間と労力を放出する自信が当時の私にはなかったのだ。
続いて2番についてだが、当初は私の10数年来の代名詞であった何らかのピアノ曲1曲を候補に挙げた。
同時に、コンテストに出して大丈夫そうな曲がどれなのかを必死に模索していた。
2,3年前の作品を引っ張り出しては考え、また別の曲を聴いては考えというのを繰り返していた。
一瞬だけ、他人に何らかの用途で提供した楽曲というのも頭の片隅に湧き上がったが、あえてそれらには触れない方向で考えた。
結果、やはり最有力となったのがピアノ曲だった。
2010年春に作成した「気分は日曜日」に代表される、いわゆるピアノの練習曲っぽいもので、誰もがとっつきやすいピアノ曲を目指したものでもって、あえて挑んでみる選択肢もあった。
なにせ、ピアノ曲中心で作っていた時はわりとむずかしめ?な曲に傾きがちだったが、ふとした思い立ちから「思わず弾いてみようという気持ちが沸き立つようなピアノ曲を書いてみたい」という感情が湧きあがるようになったのだ。
ただ、そう言う企画性も審査考量となるため重要だが、最悪の場合、上記2曲の水準を考えると、「手抜き」として見られてしまうリスクをはらんでいたこともあり、そこがまた悩みどころであった。
最後に3番だが、「みんなでシートベルト」に代表される曲のように、1から再編曲、再手直しが必要になること覚悟の上で何とかできる手段を考えていた。
もちろん、歌詞のない楽曲については歌詞を入れることも頭の片隅にあった。
しかし、やはり上記2曲よろしく、こいつらの水準には完成度的に手が届かない問題が大きく付きまとっていたうえに、1番で挙げた時間的制約の問題も絡んでいたため、なかなか厳しいと判断せざるを得なくなった。
そうした現状から4番という新たな選択肢を作ったのである。
これは、人によってどうとらえるかだと考える。
いくつもの曲を投稿して、「この人は、いろんなジャンルを作れるんだな」という見方をされたい挑戦者も多いものと考えられる。
また、1曲賞を逃しても、保険をかけておけたらという考えを持つ人もいたことだろう。
私自身も、何かのために複数曲投稿しようと考えてた人間の一人だけに、気持ちは非常によくわかる。
ただ、審査員の中には複数曲投稿した挑戦者に対し、その人自身を楽曲の室によっては少し高めに評価するという風になるのかなとも思っていただけに、選択肢4を本当に検討していいのか、少なくとも11月上旬ごろまで本気で悩んでいた。
しかし、時間的制約がある&人生をかけた勉強ということもあったため、自然に検討する流れになっていったと同時に、1曲すべてに勝負をかけている挑戦者も比較的多いことに気付いた。
そして、最終的にこの選択肢4を実行するという考えに至ったのである。



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