第1章 コンテストを知るきっかけ 第2章 過去の失敗といくつかの問題 html 第4章 挑戦前からの心構え 第5章 曲とのにらめっこ(完成まで)

第5章 曲とのにらめっこ(完成まで)


 こうして、悩みに悩んだ末、「闇を渡る道化師」1曲に絞る選択をした私。
しかし、その悩んでいる間にもこの曲に対する作業を遂行しなくてはならなかった。
選手権をTwitterで知った際、既に曲の90%余りは出来上がった状態であり、本気を出せば最低でも1週間以内に曲を完結させることはできる状態であったが、へたをすれば頭の回転が良ければ、1日余りで気合を入れて書くことも不可能ではないと見込んでいた。
たまたま、こういう自信作が出来上がろうとしていた時に選手権の知らせを見たということもあり、なおのことこれまで以上に気合が入るようにもなっていた。
しかし、残り10%がとてつもない山になるとは正直予想していなかった。
ここにたどり着くまでにも、いくつか山場になりそうな個所があり、そこを早くて2,3時間、遅くとも数時間で何とか超えることができていたが、今回上ろうとしていた山は決してそんな程度では登れない、登るにはかなりの根気が必要なレベルであった。
これぞまさしく、「いばらの道」なのである。
すべてが終わるまでになんと3日もの日数を要し、この部分だけに1日丸まる費やしてしまったこともあったほどだ。
あまりに脳をいじめすぎて、やたらとフランクフルトやコロッケなどの油ものを取りたくなったりしたが、それらを買いに近くのスーパーまで行くのもややふらつき気味になるなど、脳の疲労が予想以上にたまっていたようだ。
本気度合いが自分の想像をはるかに上回っている証拠なのだろう。
そうしてようやく、2012年10月7日、「闇を渡る道化師」の曲自体が完成した。
超えなければならなかった山が多かっただけに、完成した時のやり遂げた感は計り知れないものがあった。
同時に、これまでヘビーな曲想の楽曲はかなりの確率でさじを投げたりしていたこともあり、よくぞここまでやり遂げたなと自分を久々にほめたくもなった。
それと同時に、ここからが選手権に向けた本当の戦いになるとも感じていた。
どこまで自分の脳をいじめきれるか、どこまで限界に挑戦できるか、また何よりどこをどうすればこの曲で伝えたいメッセージが聴き手に伝わるだろうか?
そして、どこまでクオリティを高くできるか?
それらを模索していく日々となるのである。



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